ジャパンハイドロ株式会社

PRESS RELEASE

プレスリリース

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2022 / 05 / 10

【関連ニュース】BEH2YDRO世界初の水素専焼エンジンの製品発表

BEH2YDROが、産業用大型機器でも使用可能となる世界初の水素専焼エンジンの製品発表を行いました。

2022年5月9日、Anglo Belgian Corporation(ABC)とCMB.TECHの合弁会社BEH2YDROは、オランダのロッテルダムにて開催中の世界水素サミットにおいて産業用大型機械などでの利用を可能とする大出力かつ100%水素で運転可能な水素専焼中速エンジンを発表しました。
この仕様では世界初の製品となります。この革新的な水素専焼中速エンジンの実用化により、産業界はゼロエミッションに向けた脱炭素社会への取組を更に進めることが可能となります。


<水素専焼中速エンジン>

2020年9月に発表された水素混焼中速エンジンに続く今回の水素専焼中速エンジンの発表に際し Tim Berckmoes, CEO of ABC Engines.は下記コメントを発表しました。

“今回のBEH2YDROの水素専焼中速エンジンの開発により産業界の脱炭素は大きな節目を迎えることになります。
ゼロエミッションをシンプルかつ効率的に達成するというコンセプトで開発された本エンジンにより様々な機器のゼロエミッション化が可能になります”

水素混焼中速エンジン
2020年に開発された混焼エンジンは水素85%及び軽油15%を燃料としCO2の発生を85%まで削減、水素が手配できない状況下においても作動できることを想定した設計となります。

水素専焼中速エンジン
更にBEH2YDROは脱炭素社会に向け水素専焼中速エンジンの開発に挑戦を続けてきました。そして今回CO2、NOxまた煤塵などの有害物質を排出しない100% クリーンなエンジンの製品化に成功しました。
本エンジンは空燃比の適切な制御により機器の過熱をさけることで長い装置寿命を達成しました。


• 開発においてリチウム、亜鉛、コバルト、プラチナ、レアアースなどの希少な原材料の使用排除
• 希少資源を抽出する際の環境負荷を回避
• 人体への安全確保
• 不用となった水蒸気及び空気のみが排出さるクリーンエンジン

 Alexander Saverys, CEO of CMB.TECH.も下記コメントを発表しました。

“この水素専焼中速エンジンの実用化はこれからも続くBEH2YDROエンジンの開発に重要な意味をもちます。
混焼及び専焼エンジンンは陸海問わず幅広い重工業用製品に使用可能であり、オフグリッドでの産業機械の大部分の脱炭素化が可能となりました。”

エンジン出力と活用方法
今回開発された革新的な水素専焼中速エンジンは大型機器向けの大出力なエンジンであり、出力レンジは1MWから2.6MW、直列6、8気筒およびV型12、16気筒のラインナップになります。直接駆動またはオルタネーターとの組み合わせにより、船舶、掘削機、海洋重機などでも使用可能で、また鉄道機関車にも適しています。

加えてBEH2YDROの水素エンジンは水素の純度要求も低いためきわめて汎用性が高く、これまで利用が難しかった低純度の水素も単にボイラーで燃やすのではなく動力源として再利用することができます。既存の技術を用い、長期にわたり効率的に使用可能、また簡単にメンテナンスできるよう設計されているため経済的で実用性に優れたエンジンとなります。

BEH2YDROについて
BEH2YDROは大手海運会社CMBグループのクリーンテクノロジー部門であるCMB.TECHと様々なエンジン開発に取組むABCの合弁会社です。陸海運における様々な産業においてエネルギーの移行が必要とされている今、BEH2YDROの役割はまさにその要求に一つ一つ応えていくことです。

ABC(Anglo Belgian Corporation)について
ABC(Anglo Belgian Corporation)はベルギーGhentに拠点をおき多元燃料エンジンの開発を行い船、汽車などに加えて、800kWから10MWの発電機、100MW級発電所建設の一括請負契約などを手掛けています。

CMB及びCMB.TECHについて
CMBは、ベルギーのアントワープを拠点とした総合海運・物流グループです。東京、シンガポール、香港、ドイツ(ハンブルク)、英国(ローストフトとブレントウッド)、オランダ(アムステルダム)にオフィスを構え、ドライバルク船(Bocimar)、コンテナ輸送船(Delphis)、ケミカルタンカー(Bochem)、洋上風力発電支援船(Windcat)の外航船147隻を所有・運航しています。
CMBはクリーンテクノロジー事業(CMB.TECH)や不動産事業(MCA Facilities, Maritime Campus Antwerp)にも積極的に取組んでいます。
CMB.TECHはクリーンテクノロジー会社として水素およびアンモニアを燃料とする陸海の産業機器の開発、所有、運用を行っています。自社または外部生産者による水素とアンモニア燃料の販売も行っています。

ジャパンハイドロについて
ジャパンハイドロはCMBグループおよび常石グループの合弁会社として設立しました。水素エンジン関連技術・ノウハウをはじめとした脱炭素ソリューションプロバイダーとして、国内における船舶ならびに港湾産業、洋上風力発電分野など多方面に関わる新たな水素関連事業に水素エンジンの提案・導入支援を行っております。今後BEH2YDROによる革新的なエンジンの日本・アジアへの展開を推進し、お客様の脱炭素ニーズに応えてまいります。

本件に関するお問い合わせ先:
ジャパンハイドロ株式会社
info@jpnh2ydro.com
TEL:03-6261-3534